法人経営者の方
株式会社A建設会社の代表取締役Bさん
従業員15名の建設会社で、先代の父親の代からBさんは専務として働いてきました。父親の引退に伴い、代表取締役を引き継いで経営をしてきましたが、大口の取引先が突如倒産をしてしまい、売掛金の500万円が回収できなくなってしまいました。
銀行からの借り入れでは足りず、Bさん個人として消費者金融から借り入れて、運転資金につぎ込んだのですが、あてにしていた仕事が受注できず、売上げが大幅に落ちてしまいました。営業に力を入れてはいますが、なかなか売上げ増には結びつかないため、内部留保もほとんど尽きた状態です。多少の売り掛けはありますが、今後の経営を続けることは困難な状況です。
自己破産をお勧めします。
従業員の方の解雇予告手当も払えなくなったら気の毒です。弁護士費用や裁判所への費用も相当程度かかりますので、費用が捻出できる段階で決断すべきです。そのためには、経営の見通しが立たなくなったできるだけ早い段階で、とりあえず税理士を交えて弁護士と相談をすることをお勧めします。すぐには破産にならなくとも、いずれは来るかもしれないXデーに備えて準備はしておいた方が良いでしょう。
株式会社C食品会社の代表取締役Dさん
従業員20名の中堅の食品の卸会社です。大手のスーパーを顧客としていたことから、経営は比較的安定していました。
ところが、Dさんは経営の多角化を志し、飲食店の経営に乗り出し焼き肉店を出店しました。当初は順調で店舗も増やしたのですが、競合するチェーン店との価格競争に負けてしまい、多額の負債を抱えてしまいました。
現在は、本業の食品卸業の収益が、飲食店の赤字を埋めるために消えてしまう状態です。
会社分割か民事再生をお勧めします。
赤字部門を切れ離すことができれば、本業は順調なのですから会社としては生き残ることができます。そのためには、会社分割か、民事再生をお勧めします。